ヒットするストーリーの基本『物語の法則』
こんにちは。
今日は、物語の法則についてお話ししたいと思います。物語の法則といっても、本の『物語の法則』です。
サブタイトルに「強い物語とキャラを創れるハリウッド式創作術」とあります。作者はクリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ。
ジョーゼフ・キャンベルが『千の顔を持つ英雄』でヒーローズ・ジャーニーとして世に出したものを、クリストファー・ボグラーが『千の顔を持つ英雄』実践ガイドとして著わしたのが、ヒーローズ・ジャーニーのステージです。ちなみに、ハリウッドのシナリオ業界では “伝説のメモ” と呼ばれています。
ことばを創作していく上で、人間考察が必要ですが、ストーリーを考えていくことが重要です。
この “伝説のメモ” は物語を語る上での、構造・キャラクター・テーマを創り上げていく上でのツールキットの位置づけになっています。
この “伝説のメモ” のエッセンス部分を抜き出したのが、今回の投稿です。
大きな流れとして、
第一幕 別離、 第二幕 試練、第三幕 帰路、の3幕として展開され、
12の要素に分解されているのが典型的な構成です。
それでは、この12の要素を「スターウォーズ・エピソード4」を題材に見ていきましょう。
第一幕 別離
1.日常世界:
ルーク・スカイウォーカーが農場の家で退屈している姿。
2.冒険への誘い:
レイア姫のホログラフィーのメッセージを受けたオビ=ワン・ケノービがルークに冒険に加わってくれと頼む。
3.冒険の拒否:
未知への恐怖。ルークは冒険に行こうというオビ=ワン・ケノービの誘いをことわり、叔父と叔母のいる農家へ戻るが、農家は帝国のストーム・トルーパーに焼き払われていた。ルークは冒険に飛び込んでいこうと決意する。
4.賢者との出会い:
オビ=ワンは、父親のライトセーバーをルークに与える。
5.戸口の通過:
ルークを乗せた宇宙船が飛び立つ。
第二幕 試練
6.試練・仲間・敵:
ルークたちは酒場でハン・ソロと出会い、ジャバ・ザ・ハットと反目する。
7.最も危険な場所への接近:
ルークとその仲間たちがデス・スターに捉えられるが、そこでレイア姫を救出する。
8.最大の試練:
ルーク、レイア、そして仲間たちが、デス・スターの内部で巨大なゴミ圧縮機にとらわれる恐ろしい場面となる。
9.報酬:
ルークがフォースの力で、デス・スターを破壊する。
第三幕 帰路
10.帰路につく:
ルークと仲間たちはレイア姫を連れ、ダース・ベイダーを倒す計画を胸にデス・スターから逃げ出していく。
11.復活する:
戦闘シーンでルークが死にそうになり、一瞬本当に死んだと思わせておいて、奇跡的に生き延びる。ルークはその体験により、新たな自分に生まれ変わっていく。
12.宝物を持っての帰還:
宇宙という特別な世界の戦闘で学んだ教訓と経験を持ち帰り、ルーク、ハン・ソロ、チューバッカはレイア姫から感謝のメダルを受け取り、群衆からの熱狂を受け、日常に戻っていく。
ハリウッド映画では、ほぼこの流れで話が展開することが多いです。
一番重要なのは、この神話の価値です。この12の基本バージョンは象徴として考えれば、基本のキャラクターや小道具を置き換えることで、現代劇、コメディ、ロマンス、アクション・アドベンチャーなど、果てしないバリエーションを生み出すことができるのです。
この神話の基本原則を知っているだけで、ストーリー・ライティングの知恵の泉になっていくことでしょう。
『物語の法則』には、数多くの気づきがあります。一度、手に取ってお読みください。
また、物語にご興味があれは、一緒に語り合いましょう。
会話の中から新しいアイデアが思いつくかもしれませんよ。
ではでは。
やまおか きよし